自分たちが描いた病院に向かって、とにかく一歩を踏み出しました

1996年、堂園さんは医師であるご主人と共に、ホスピス機能を有した有床診療所、堂園メディカルハウスを鹿児島に設立されました。堂園メディカルハウスでは、人間の心身全体、そして生まれて亡くなるまでの人の生全体を受けとめながら、全人的な医療を実践されています。

正しい思う道を、とにかく踏み出した いま思うと、よくやったなーって

うちのキャッチフレーズは、「病院らしくない病院、また行きたくなる病院、最期までここに居たくなるような病院」。そして、「手の温もりと、おもてなしのシャワー」。自分たちが描いている病院を、ただ無我夢中で始めたのが10年前。先のことはわからないけれど、とにかく一歩踏み出そうと、自分たちが正しい思う道を踏み出した。いま思うと、よくやったなーって。こんなに大変だってわかってたら、やらなかったかもしれない(笑)。ほんと、一難去ったら、また一難。おかげで強くなりましたね。

私は病院のなかでは副院長的な立場で、患者さんと家族の調整係、スタッフや医師の調整係ですね。わかりやすく言うと、「ペンションの女将さん役」。自分の今までの人生経験が、とっても役立ってますね。母を看取り、娘が4人いて、主婦であり、結婚生活30年ですから、色々なことがありました。

10年間、患者さんとお会いしてきて、産婦人科の患者さんもいらっしゃるし、終末期医療もやっているでしょう。そうすると色々な人生の裏側を見ますから、どういう事態も割りと受け入れられるような訓練はしてきました。マテリアメディカの知識はまだまだ不足していますが、ホメオパシーでいう「Non-judgmental warmth」、裁かない暖かい眼差しという患者さんをそのまま受け取るっていうことはまあまあ少しずつやっていることかもしれません。

堂園メディカルハウスの「全人的に診る」という見方が、ホメオパシーと共通しているから、ホメオパシーにまったく違和感はなかったですね。最初は、ホメオパシーってわけわかんない、だから勉強してみようって思いました。「私も勉強できますかね?」って永松先生に聞いたら、「できますよ」って言われて、学校に入りました。ホメオパシーを知らずして、非科学的だとか批判することは好きではないので、批判するなら勉強してからしようってね。そうしたら九州校をうちで開校するとか、意外とこんな展開になっちゃって、よかったなーって思いますね。


入口にある定礎碑には、「この地より新しい医療文化を世界へ」という堂園さんご夫妻の思いが刻まれています。今年で開院11周年を迎えました。


19床ある病室は洋室と和室があり、全室個室で、ご家族も宿泊できます。院内のベッドは全て木製です。


写真は流動食の患者さんのお食事。プラスチックでなく陶器や漆器に丁寧に盛られた食事にも、おもてなしの心が表れています。

子育て中のお母さんと、何かができればなって おばあちゃんの知恵袋みたいに

たとえばいろいろな方との面談を通じて思うのは、川の流れで言うと上流の、子供時代の心の流れが比較的スムーズだと、大きくなってからいろんなことがあっても、なんとか流れていく気がする。流れの源流のころ、幼児期のころから、ホメオパシー的な価値観で育んでいくっていうのはとても有意義だと思います。そのためにも子育て中のお母さんと、生き方を考えるような何かができればなって思っています。

私も迷いながら子育てをしていました。振り返ってみると、子育ての真っ只中にいるときに、ちょっと視点を変えると、お母さんも子どももスーッといくんだと思うんですね。いま、情報がすごいでしょう。だからホメオパシー的な価値観をちょっとずつでも勉強していったら、カゼなんかひいたって平気よとか、子どもがこうしてきたときにどういう風にしてあげればいいとかね。「熱が出ても鼻水が出ても、大丈夫なのよ」、「咳がゼロゼロいって大変になったらお母さんはわかるわよ」とか、おばあちゃんの知恵袋的にね、そんなことができると思うんですよね。

長い目で見て、堂園メディカルハウスが、ホメオパシーを学ぶ場とか、ホメオパシーを希望される方が治療を受けられる場になればいいなって。いろいろ夢はふくらんでます。でも宿題がたまってて(笑)。

私が生きていることで、一遇を照らすことになれば

この10年間やってきて、まったく死が恐くなくなった。それは大きいかな。毎日、明日死んでも後悔しない生き方をしていけばいいんだなと。明日、余命3ヶ月と言われても、人間だからちょっと動揺はして、でもあんまり後悔はしないと思いますね。いま十分、自分のやるべきことをやっていると思うので。

私が生きていることで、一遇を照らすことになればね。一遇を照らすっていうのは、暗闇のなかの一部を照らす。家庭のなかで優しいお母さんでいるとか、日々の中で誰かに温かさを与えられるような、そんな生き方ができればいいなって。お母さんが立派に子どもを育てて社会に送り出す。それだけでも、本当に素晴らしいことで人生がよかったって思う。そんな風に思っています。

娘たちも大きくなって、これから子どもへの責任がなくなっていくから、これから一花咲かせて、ホメオパスとしてやれたないいなー。「やる」っていうと、永松先生にまだまだですって言われるかもしれないから、「やれたらいいなー」って言っておきます(笑)。

九州はね、火がついたら、けっこう熱く燃えるんですよ。楽しみですよね。

堂園メディカルハウスのホームページはこちら。
http://www.dozono.co.jp/