第4回国際セミナーバックリポート

2001年11月17、18日 第4回ホメオパシー国際シンポジウムが開催されました。

2001年度は、英国王室御用達のAinsworths社から欧米を代表するホメオパシー薬剤師TonyPinkus氏、日本ホリスティック医学協会会長、日本ホメオパシー医学会会長の帯津良一先生、「ホメオパシー医学への招待」という世界に誇れる名著を著した松本丈二先生、ロンドンでホメオパシーを学び、Ainsworths社で一年余りレメディーの製造に携わったニールズヤード レメディーズの伊藤美保氏、及びハーネマンアカデミー学長の永松昌泰が講演及び討論を行いました。

講演者
Tony Pinkus氏
欧米を代表するホメオパシー薬剤師。ホメオパシーの老舗Ainsworths社社主。
帯津良一氏
日本ホメオパシー医学会会長。日本で初めて本格的ホリスティック医学を実践した嚆矢。
大槻 真一郎氏
明治薬科大学名誉教授。医学史、薬学史、錬金術を通じホメオパシーに至る。(挨拶と講評)。
松本丈二氏
生物学的側面から哲学的に思索し研究するホメオパシー研究の若きエース。趣味は実は蝶。
伊藤美保氏
ニールズヤードレメディーズ薬剤師、ロンドンのLCCHとAinsworths社で3年間研鑚。
永松昌泰氏
ハーネマン アカデミー学長。科学・哲学・芸術・宗教・文学・医療の合一を目指す。

概要

「ホメオパシーのレメディーとは何か」というテーマで、科学と哲学との幸せな「結婚」を目指す目的でこのセミナーは進められました。

ホメオパシーにはさまざまな側面があります。医学、生化学、生物学を中心とした科学的側面、また心理学、倫理学、文学を中心とした哲学的側面とがあります。ホメオパシー・レメディーを理解する入り口はどこにでもありますが、このシンポジウムではまず科学的側面から入り、そして徐々に哲学的側面と融合していくという試みをしたいと思います。その時、「真に科学的とは何か」ということも同時に問われることは言うまでもありません。

俗に「目に見える世界」と「目に見えない世界」があると言われますが、目に見える世界を成す主体は「物質」であり、目に見えない世界を成すのは「エネルギー」です。ホメオパシーのレメディーは、物質的世界の領域を規定しているともいえる、アボガドロ限界を遥かに超えた希釈をされているもの(もはや分子としては存在しない状態)が多いのですが、ホメオパシー・レメディーとは、果たして「物質」なのでしょうか、それとも目に見えない「エネルギー」なのでしょうか?

昨年のシンポジウムは「ホメオパシーとトランスパーソナル心理学」という哲学的側面からのアプローチでした。確かにホメオパシーのレメディーは「単なる物質」ではありません。個人の内的成長を助けるエネルギーであり、隠喩的な「シンボル」でもあります。治療者自身が成長し続けること、そしてその成長過程が自然に形成する「癒しの場」が、クライエントの「癒しの場」とレメディーを介して共鳴し、治療者とクライエントが共に旅をして、共に成長していくのが、ホメオパシーの本質的な姿なのです。ですからホメオパシーのレメディーを総合的に理解するということは、単なる知的な理解ではなく、自らの実存においてレメディーの光を当てて、自らを「錬金」することに通じてなければなりません。しかし、この歩みは決して哲学的側面だけの「専売特許」ではありません。科学もまた同じ側面を持っているのです。

ここに一つの重要な示唆があります。アインシュタインの発見した20世紀最大の発見の一つ、E=mc2です。この有名な公式が明示していることは、物質とエネルギーとは等価であるということ、つまり目に見える物質と目に見えないエネルギーとは等しいという驚嘆すべき事実です。ですから真に科学的に考えようとするならば、目に見える物質と目に見えないエネルギーとを同等に扱わなければならないのです。物質とは、我々と無関係で何の相互関係を持たないような「純粋客観」などでは決してなく、我々自身と密接な相互関係をし合うようなエネルギー的存在でもあるのです。物質の科学である物理学では二十世紀に大革命が起こりました。物質は純粋に客観的な性質を持っていると信じられていたにも拘らず、物質の根源である原子は「確定した客観的存在」ではなく、むしろ「非科学的」な「主客合一的な存在」、すなわち「主観」も「客観」もなく、お互いに感化し合い、相補い合うようなエネルギー的存在でもあります。このようにして、最新の科学と古くからの智慧が再び深く結びついたのです。