第15回国際セミナーバックリポート

  • ジェレミー・シェアー先生
  • 2013年1月12日(土)〜14日(月・祝)
  • 青山オーバルビル(東京都渋谷区)

ジェレミー先生セミナー風景

昨年より日本ホメオパシー協会と共同で開催しておりますホメオパシー国際セミナー。第15回は、ジェレミー・シェアー先生をお招きいたしました。ジェレミー先生は第8回の国際セミナーでも講師をされ、その素晴らしい講義がハーネマンアカデミーの生徒の間でも語り継がれていたほどでした。

その後、ジェレミー先生はアフリカのエイズに苦しむ方々を救うプロジェクトを始められ(Homeopathy for Health in Africa)大きな成果を上げています。そういった様々な経験により、さらに磨き抜かれたジェレミー先生の哲学と理論と実践をたっぷりと学ぶ3日間になりました。北海道から鹿児島まで、全国から集まった多くの方々にご参加いただきました。

ジェレミー先生1日目の講義は、参加者の皆さんへ「ホメオパシーとは何か?・ホメオパシーの定義とは?」というシンプル且つ、重要な問いかけをすることから始まりました。ホメオパシーを学ぶ人なら知っていることではありますが、それぞれの経験や理解に応じた答えがあると言えるでしょう。30年以上にわたる経験の中で、ジェレミー先生ご自身が考え続け、これからもさらに深まるであろう「ホメオパシーとは何か」という問いに対して、「似たものが似たものを治す」「ポーテンシー」「個別性」「全体性」という4つの要素とその関連性を解説しながら、改めて「ホメオパシーとは何か」について理解を広げてくれる、非常に充実した講義が繰り広げられました。

後半は、ジェレミー先生がプルービングを行ったBrassica(セイヨウアブラナ:菜種油の原料)のレメディーについて解説がありました。プルービングから得られた様々な特徴的な症状から、そのレメディーの全体像、中心的な理解へと導いてくれました。中でも興味深かったのは、Brassicaのレメディーの特徴の一つとして、「それぞれが持つ個別性が失われる感覚」ということがある、ということでした。菜種油の原料となるこの植物は、単一栽培されることが多い植物です。そのことと比喩的にイメージできるかもしれませんが、たとえば大きな会社や工場で、まるで自分が機械にでもなったように働く。そこではそれぞれの個別性よりも、みんなが同じであることが求められる。そういった生活が長く続くことによって、自分たちのことを愚かだと思ったり、尊敬もされなければ、愛されてもいないと感じたりしてしまう。そういったピクチャーがこのレメディーから見えてきます。もしかすると、日本人に関係が深いレメディーではないか、とおっしゃっていました。確かに、外国の方々からみれば日本人の行動は組織立っていて秩序的と言われます。しかし、それが行きすぎれば、そういった状況に陥るかもしれません。

ジェレミー先生2日目は、「個別性と全体性」についてさらに詳しいお話がありました。ホメオパシーにおいて一人の人間を観てゆくとき、個別性と全体性という一見すると相反する視点の両方が必要です。ジェレミー先生は、「個別性とは何か」そして、「全体性とは何か」ということについて定義された上で、それをどのようにして見てゆくのか、そしてその相反するように見える両極が、どのようにして一つに融合していくかというプロセスを、具体的な方法やケースなども交えて講義をされました。

午後からはライブケースを行いました。セミナー会場の一角にセッションスペースを設け、ジェレミー先生がセッションを行い、その後の分析の過程を経て、レメディーを決定しました。世界最高峰のホメオパスがどのようにセッションを行い、何に注目し、どのように考えるのかを目の当たりにすることができ、参加者の皆さんにとって大きな学びになったことでしょう。

ジェレミー先生 Homeopathy for Health in Africaそして最後に、ジェレミー先生が2009年から取り組んでいる「Homeopathy for Health in Africa」の活動についてご紹介いただきました。ジェレミー先生は、それまでの安定して恵まれた生活を投げ打って、ご家族とともにタンザニアに移住され、エイズに苦しむ方々をホメオパシーで診ていらっしゃいます。これまでに、先生と奥様でホメオパスのカミーラさん、何人かのボランティアの方々が、なんと3000人もの方々を診てこられたそうです。そして、ジェレミー先生自身が信じられないくらい良い結果が得られているとのお話でした。CD4カウント(【CD4陽性細胞数】はHIV感染者の免疫状態を表し、HIV/AIDS治療のための重要な指標になる。)が正常値になるだけでなく、トータルなレベルで健康を取り戻し、また仕事をすることやおいしく食べられる生活に戻ることができて、大変喜ばれているアフリカの方々の映像をご紹介いただきました。

しかし、問題がないわけではありません。


患者さんの多くは女性です。彼女たちの多くは未亡人です。様々な理由によって彼女たちの夫はすでに亡くなっています。そして、彼女たちはHIVに感染しているということで、社会的に烙印を押されています。ご主人がまだ生きていた時にはそのことを隠すことがまだ可能でした。しかし、夫がエイズで亡くなってからは、みんながそのことを知っているのです。そして、何が始まるかというと、通常、女性が夫にエイズを感染させたということで非難される。そして家族達は彼女から全て奪ってしまいます。たいていの場合、3~4人の子どもとともにホームレスの状態になってしまいます。烙印を押されているために一切の支援を受けることができません。


ジェレミー先生達は、エイズ患者の子ども達のために学校を作ったり、貧困に陥っているマサイ族の村に食料や鶏を提供したり、リサイクルの衣類や眼鏡などを提供したり。ただレメディーをお渡しするだけでなく、ハーネマンがオルガノンの中で医師がなすべき事の一つとして挙げている「回復を持続させるために何が健康を妨げているのかを知り、どうすればそれを取り払えるのかを心得ておかねばならない」という言葉通りに、あらゆる状況の改善に懸命に取り組んでいらっしゃいます。

また、現地の医師や看護師の方々が、現代医学では対処できなくなっていたエイズ患者の方々がホメオパシーで良くなっているのを目の当たりにして、ホメオパシーを教えて欲しいと希望されるようになりました。そのため、医療従事者に向けたホメオパシーのコースを開設しているそうです。コースの様子を映像を通じて紹介していただきましたが、私たちが普段使用しているシンセシスやマテリアメディカといった教材を持って、嬉しそうに笑っているアフリカの方々を拝見し、アフリカにもホメオパシーを学ぶ仲間がいることに大変感動しました。

ジェレミー先生セミナー風景

最終日の3日目は、参加者の質問から発して「全体性」についてさらに大きな視点でのお話がありました。完全にホメオパシーの枠を超え、森羅万象の有様を解き明かしてくれたと言っても過言ではありません。
私たち人間を含む宇宙の万物はどのような存在であり、どのように繋がりあっているのか。ワンネスとは。その中で、病とは何か、ポーテンシーについて、ホメオパシーが何を行っているのか、そしてその責任の重さと喜びについて。

この日は東京でも何年かぶりの大雪で、普段とはまったく別世界のような景色になりましたが、ジェレミー先生の宇宙大の広がりのあるお話しと重なって、会場全体がまるで別次元のような印象を受けました。

午後からは、レメディーを幾つかご紹介いただきました。その中で、エイズという病に対して有効なレメディーについて研究をされ、たどり着いたレメディーをご紹介いただきました。それは放射性物質から作られたレメディーですが、エイズという病の本質とその放射性物質の本質が類似をしているお話は、大変興味深いものでした。

ジェレミー先生充実したセミナーもやがて終わりを迎え、最後にジェレミー先生と日本ホメオパシー協会久会長、ハーネマンアカデミー永松学長から、サティフィケイト(修了証明書)がお一人ずつに手渡され、3日間のセミナーが全て終了しました。

毎年、国際セミナーには大変素晴らしい学びがありますが、今回も素晴らしい学びと感動の3日間になりました。ジェレミー先生、ご参加の皆さん、本当にありがとうございました。

【セミナーに参加して~受講生の声~】

参加者された皆さまからのご感想を、ご紹介させていただきます。

Voice.1

毎日が素晴らしい経験でした!人間を理解するためにあらゆるツールを使用してゆくこと、それが内面化された時にどんなに素晴らしい一本の糸がつながってゆくのかを目の当たりにして、感嘆と共に、これから自分が時間をかけて培ってゆくべきものが見えた気がしました。

Voice.2

2005年、前回の先生のセミナーでも大変な勉強になったのですが、今回も出席して大変よかったと思っています。先生の発展、飛躍の素晴らしさは、生きる上での大いなる刺激と大いなる先達の導きを感じさせてくれます。もっと勉強しなければと思わされます。

Voice.3

アフリカでのお話や映像、そして歌に本当に感動しました。
特に、アフリカのホメオパシーの学校で生徒さんが私たちと同じレパートリーやマテリアメディカを持って笑っているのを見て涙が止まりませんでした。仲間がいると感じで本当に嬉しかったです。

Voice.4

深い深い話、ですが私たちが立つべき基本をよりしっかりしたものにしてくれる話を沢山していただいて、本当によかったです。

Voice.4

ジェレミー先生の講義は、非常にダイナミックで、ひとつひとつのレメディーが生き生きと立ち上がってくるようだった。素晴らしい夢のような3日間だった。論理的で哲学的で、これまでの授業で理解できなかったこと、今まで散らばっていた知識がパズルのように形を成してきた。常に「いまここ」という思いで、ホメオパシーはじめ、日常のことにも真剣に取り組みたいと思った。