2006年4月15・16日 東京校1年生授業
4月、新学期を迎えた東京校では、新入生のための最初の授業が行われました。ハーネマンアカデミー4年制の最初の授業では、永松学長からホメオパシーの基本原理についてお話があります。基本原理は最も重要で根本的なことであり、4年間の学びのなかで、また将来の臨床のなかで、常に立ち返る基本でもあります。人は道理に基づいて病になり、道理に基づいて健康を取り戻します。クライアントを健康へと導くことのできる真に有益なホメオパスになるためには、ホメオパシーが基づく基本原理、道理について、しっかりと理解してゆかなくてはなりません。
土曜日 12:30~19:30 | 日曜日 8:30~15:30 |
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健康とは何か、病とは何か
病と健康は通常、対立する別々の概念として捉えられています。しかしホメオパシーでは、病と健康は対立的なものではなく、同じところからきていると考えます。
人は本来、健全健康な姿だといえます。健全健康な人に何かがおこったとき、人はその状態に適応しようと反応します。適応すべきときに一時的に適応しているなら健全な反応ですが、次第に固定化して元に戻らない状態、もはや必要がないのに適応しつづけている状態を病と呼びます。
つまり、どのような病も健全な適応から始まります。そして適応しつづけなくてはならない事情が根本的に解決されると、本来の健全健康な姿に戻ってゆくのです。
このシンプルでありながら最初は複雑に聞こえる原理について、永松学長から様々な観点から説明がなされました。英語の病diseaseの概念から、ストレスの概念から、テニスボールのたとえから、またレメディのお話から、病について考えを深めてゆきました。
病は英語でdis-easeと書きます。安寧(ease)が奪われた(dis)状態、つまり人間本来の安寧な状態が何らかの事情によって奪われた状態が病です。
軟式テニスのボールにたとえて、病と健康を考えてみます。健全健康な状態は、弾力性のあるテニスボールにたとえられます(写真左の図)。ラケットでパーンとボールを叩くと、その状況に一時的に適応してボールの形は楕円形に変わりますが(写真右の図)、その状況がすぎると元の丸い形に戻ります。
たとえばボールが何かに挟まれつづけて変形したままだとします(写真左下の図)。あるいは何度もラケットで叩かれることで形がへしゃげてしまっているとします。このようにある状態に適応したまま元に戻れない状態、あるいは、ある状態にさらされ続けることで弾力性が失われている状態が、病の状態ともいえます。