学長ブログ
そもそも病・症状とは何か?
2024-09-08
「そもそも論」が私は大好きなのですが、そもそも「病」「症状」とは何でしょうか?
病気、症状とは何か?
症状は「問題があります!」ということを伝える唯一の方法・手段でありサインである
ホメオパシーの似たものが似た症状を治すというのは一体どういうことかと申しますと、こんなふうに考えていただきたいんです。我々は生きていますので、生きている力、エネルギーというものがあるんです。そして、何だか病気にするようなエネルギー、病気にするようなものがありますと、我々はそれを外に出していこうとする働きを持っています。その時に「症状」として現れるんです。症状っていうのは確かに嫌なものですが、実はありがたいものなんですね。症状っていうのはいろんな意味があります。ひとつは解決しなければいけない問題がありますよということを知らせてくれるわけです。サインなんですね。これは大切なことです。これはどういう形で教えてくれるかというと、例えばそれは心地良い快適な形で教えてくれたとすると、我々はそれを解決しようとするでしょうか。しないですよね。ですからとても嫌な形で教えてくれるわけです。例えば痛みとかね。どこか痛むとこれは何か問題があるっていうサインなんです。これは決定的に重要なことです。
痛みを感じない人
我々は痛みというと嫌なもので、無ければいいなと思いますが、大体世界的にいつも10人くらい、痛みを感じることができない人というのがいます。痛みを感じる能力が無い人なんです。その人たちは生涯痛みを感じることが無い。そうすると「ああ、なんていいんだろう」と感じるかもしれませんが、そういう人たちの平均寿命はだいたい10歳ぐらいなんです。別に病気で亡くなるわけじゃないんです。痛みっていうものを知らないので何をしてもいいように感じるわけです。たいてい3階から落ちて死ぬとかね。例えば骨折はするけれども痛みが無い。何か歩けないなあと思うけれども、何だかわからないからそのままなんです。そのうちに、何でもできるような気がして3階とか5階から飛び降りて、痛くはないけれども死んでしまうわけです。ですから平均寿命が10歳くらいなんですね。これは前にNHKスペシャルでやってたその時の統計の数字だったんですけれどもね。
症状は治癒の過程でもある
ですから痛みっていうのは非常に重要なサインで、「あっ、痛い」と思って、これはいけないんだと思いますよね。ほんとは非常にありがたいものなんです。でもとてもありがたくない形で表れますので、「ありがたくないありがたいもの」って呼んでるんですけども、それと同時に、症状ってただ知らせてくれるだけではなくて、すでにもう治癒の過程でもあります。静かな池を思い浮かべてください。そこに石を投げるとします。石というのは病的なエネルギーというか、我々を何か病気にするようなエネルギーだと思ってください。そこに石が落ちますと波が起こります。波というのは症状なんです。波というのは石が落ちましたよということを表現しているわけです。表現して知らせてくれてるわけです。それと同時に波が起こっていくとだんだん外に広がっていって、静まっていきます。そのショックというものをだんだん外に出していく方法でもあるわけです。症状というのはまさにそういうふうなものなんですね。ですから本当はありがたいものなんです。何かあったときに症状を現わした後で良くなりますよね。その時に症状によって外に出て行かなければならないエネルギーをある程度出していってくれてるわけです。まあ治癒の過程でもある、というと、人情としてはそれが一番大事なように感じますが、実は一番重要なのは先ほどお話しした「唯一無二の表現方法、手段である」ということです。
症状を抑える
このように本当はとてもありがたいものなんですけれども、とても嫌なものですから我々はどうしても症状を抑えようとします。どうしても現代医学がああだこうだと考えてしまいますけども、それは我々自身やはり都合の悪いものは蓋をしてしまいたい、都合の悪いものは忘れてしまいたいという気持ちがあって、それに表面的にマッチするところがあって、そういう方法をとってしまうというのもあるんです。
アトピー
例えばアトピーっていうものがありますよね。アトピーとか皮膚の病気っていうのは本当はいちばん外側のところでいろんな病的なエネルギーとか解決しなければならないものを外に出そうとしているところなんです。とても痒いしとても嫌なものなんですが、本当はとてもありがたいことをしてくれているんです。けれどもその時に、ステロイドを塗ると魔法のように良くなるんですね。あ、こんなにキレイになる、こんなに良くなるんだっていうふうに本当にありがたいなって思うような効き方を最初はしてくれるわけなんですけどね。ステロイドやめたとたんにリバウンドっていう形でもっとひどく噴き出してきたりとか、一時的に良くなってもだんだん効かなくなるということが起こってくるわけですけども、まだリバウンドがあるうちはいいんです。まだ外に出そうという試みをしてますからね。リバウンドもしなくなるとどうなるかというと、これは治ったんではなくて、蓋をされて仕方なくもっと深いところに病的なエネルギーが行ってしまうことなんですね。そうするともっと重い病気の形、もっと重要な部分に病気が表現されるわけです。そうすると、まあ皆さんご存知だと思いますけれども、そういうふうなアトピーが出なくなると、かなりの程度でその後、喘息になりやすいです。これはお医者さんに行きますと、アトピーと喘息は無関係だと言われますが、無関係どころじゃなくて、アトピーを抑圧しようとしたところが、もっと深いところに行ってしまったということなんですね。喘息っていうのは呼吸器系の病気ですからこれも直接命にかかわりますけども、もっと深い病気になったりします。例えばリウマチになったりですとか、膠原病ですとかね。ですから本来出していかなければならないエネルギーはちゃんと解放していかなければならない。そのエネルギーをちゃんと出すことを助けるものがホメオパシーなんです。
ホメオパシーの働き
ですからバイタルフォースって呼んでるんですが、生命エネルギーってものがあって、そこに病的なエネルギーが入っていこうとした時に、生命エネルギーは撥ね返していこうとする。さっきホメオパシーのレメディっていうのは似た症状を起こせるものだと申しましたよね。似た症状を起こせるものとはどういう意味かというと、その撥ね返していく方向性と似たような撥ね返し方のできるものというふうに考えていただきたいんです。例えば普通、病気をした時ですね、良くなる時というのは撥ね返してもそれで良くなるわけですが、なかなか良くならない慢性病のときはですね、ある程度撥ね返すんだけども、つまり症状は出るけども、全部は撥ね返せなくて中に入っていくわけです。この時にホメオパシーのレメディが何をするかというと、似た方向性に撥ね返す働きを持っていますから、中に入っていこうとするものを丸ごと一緒に外に出してくれようとするわけです。ですから似た症状を起こせるものは似た症状を治せるということはどういう意味かというと、まだ中に入っていこうとするものを、それが本来撥ね返そうとする方向と似た方向に撥ね返そうとするものなので、一緒に手を取り合って外に出て行くという感じなんですね。イメージとしては、海で波打ち際を思い浮かべてください。波が寄せては帰りますけども、この小さな波が症状としますが、この小さな波に大きな波がかぶさってきて、ひいていく時に小さな波も一緒にひいていく、そういった感じなんです。本来出て行かなければならないエネルギーそのものが外に出て行ってくれるので、症状として表現される必要がない。だからもう症状は起こらない。症状を抑圧するんではなくて、症状が起こる理由そのものが無くなるので病気も無くなる。これがホメオパシーの似たものが似たものを治すっていう意味なんです。
症状の意味
症状の意味っていうものをちゃんと受け止めることもまた一方で大事だったりするわけです。なぜその症状が出てきたかっていう事をきちんと捉えて、それを根本的な形で解決するっていう、これが本来のホメオパシーの意味なんです。これは判りやすい病気の場合だけではなくて、例えばいろんな家庭内の問題ですとか、対人関係ですとか、いろんな問題がある。これは症状なんですね。本来解決しなければならないいろんな潜在的な問題っていうのが、表面的に現れて来てくれたわけです。ですからそれを、できるだけ本質的な形で根本から、正面からなぜその問題が起こってきたのかというのを捉えて、できるだけ本質的に解決していくというのが、またホメオパシーでもあるんです。
ホメオパシーの本質
最初の出発点としては、ホメオパシーっていうのはどうも副作用が無いらしいし、自然のものだから新薬よりは良いんじゃないかと、だから新薬の代わりに使ってみようということでも十分いいと思うんです。ですけれども、だんだんホメオパシーに慣れてきますと、単に都合の悪いものを出て行けとやるんじゃなくて、もう少し本質的に問題を解決しながらやっていくという、そちらの方にも眼が開かれていきますと、人生そのものも変わってきたりするわけです。確かにホメオパシーは病気が良くなったりするんですけども、我々が何のために生きてるかって言うと幸せになるために生きているんです。その幸せになるっていう中に健康ということもあるんです。より幸せになるっていう中に病気が治るっていうこともあるわけなんですね。ですから本来ホメオパシーのレメディがすることっていうのは、単に病気を治すというだけではなくて、我々を苦しめているいろいろな問題を本質的に解決することを助けてくれるものでもあるんですね。そういう力を持っているということも頭の中に入れておいて欲しいと思います。
次回は、その日集まって頂いた150人を超えるお母さんたちのお役に立てるようにお話しした「子どもへの処方とその実際」です。
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