アカデミーライブラリー

薬剤師座談会

ホメオパシーに興味を持つ多くの方は、「薬をのむのは身体によくないこと、できるだけ飲みたくないし家族にも飲ませたくない」と考えておられることでしょう。確かに…薬を飲むのを最小限にすることは大事ですが、薬が必要な場合もあるのです。
現代医学の薬剤をどのように考えていけばよいのか、また現代医学の薬剤とレメディの違いや、ホメオパシーの得意とするところを、ハーネマンアカデミーを卒業した3人の薬剤師に聞いてみました。

参加メンバー
成松加央合

成松加央合   
東京校9期(2008年2月卒業)/講師

薬剤師として病院勤務時に、患者と医療者の双方に心のケアが必要だと感じ、勤務の傍ら心理カウンセリングを学ぶ。心と病と薬について考える中でホメオパシーと出会い、ここに理想とするものがあると直感。卒業後もポストグラジュエイトコースなどで学び続けながら、真の「薬の専門家」を志しつつ、ふるさと安曇野で精力的に活動中。着実に積み重ねられた臨床経験と薬学の知識をベースに繰り広げられる講義は、多くの生徒にホメオパシーの魅力と奥深さを伝えてくれる。

徳武さおり

徳武さおり   
東京校11期(2010年2月卒業)

大学病院に勤務し、病棟薬剤師として癌患者さんに接する中で、抗がん剤の限界を痛感。ビタミン療法、漢方、食養生など現代医学以外の療法を模索する中でホメオパシーに出会う。現在は調剤薬局に勤務、「いかに処方せんの薬剤を、患者さんの全体にマッチさせるか」というホメオパシー的薬剤師として奮闘中。

五鬼上典子

五鬼上典子   
東京校13期(2012年2月卒業)

薬局に勤務しながら、患者さんが体調を崩すきっかけには心の問題が大きく関わっていることは日々感じていたが、薬ではそれが解決できないことがもどかしかった。心身の不調全体を癒すことができるホメオパシーに出会って、自分の求めていたものがここにあると確信。現在は多くの方にホメオパシーを知っていただくために活動中。

ホメオパシーを知る前に薬剤師として悩んでいたことはありましたか?

『症状は抑えても、実際に治してはいない』(五鬼上)

私が感じていたのは、薬は症状を抑えることはできるけれども、実際に治してはいないということでした。 特に慢性疾患の患者さんにはよく聞かれるんです。「この薬は一生飲まなければいけないんですか?」って。それに対してどうお答えすればいいのか困ることがよくありました。
それから薬の副作用があると、それを抑えるために別の薬が追加されて、またその薬で副作用が出て、さらに別の薬が追加されることがよくあるんですが、一番最初の薬はやめたり変更することはできなかったのかなと思っても、医師にはなかなか言えないジレンマがあって、苦しさを感じることもよくありましたね。

『はたして薬剤によって病気は治るのか?』(徳武)

大学病院の薬剤部に勤めていた時に、病棟業務で婦人科の癌の患者さんに関わっていたのですが、抗がん剤を打つほどに弱って食欲が落ち、元気がなくなり、亡くなっていく。抗がん剤って本当に効いているのかな?と思ってしまって。
その他にも、薬剤を使うほど抜けられなくなっていく・・・ステロイドも抗アレルギー薬も、それがないと症状を乗り切れなくなる、そういう人達をたくさん見てしまい、本当に薬剤で病気は治るのか?と疑問を感じてしまったんですね。現代医学には限界があると思いつつも、じゃあどうすればいいのか??わからなくて悶々としていましたね。

『薬剤師の役割って本当は何だろう?』(成松)

私が薬剤師として病院に入ったときは、薬剤師が病棟に出ていくようになって病院薬剤師の仕事が大きく変わった時期だったんです。特にコンプライアンスの悪い(服薬指示を守らない)患者さんに「この人がちゃんと薬を飲むように指導してください」という依頼が入るんですけど、なんで「コンプライアンスが悪い」のかというところに、その人の人生の大切な何かがあったりして、そういうお話をお聴きすることもありました。でも薬剤師って、大学で身体と薬とのことは学ぶけど、人の心については何も学んできていない。そういう中で、「薬剤師の役割って本当は何だろう?」という疑問が湧いてきていました。
それと、五鬼上さんも徳武さんもおっしゃったように、「治る」薬というのがないんですよね。私は治験薬の部署に所属していたのですが、治験薬って、すごいお金とたくさんの動物達を実験に使って出来てくるのに、それでその病気が治るの?というと、そうではなくて、ちょっと症状を抑えるとか進行を遅らせる程度で、副作用もあり、副作用となんとか付き合いつつ一生飲んでいかないといけない。そういう薬ばかりで、何かもっと良いものはないかと、漢方とかアロマとか、心理療法の勉強をしたりしていました。

2)初めてホメオパシーを知ったときに最初に思ったことは何でしたか?

『薬を使えない妊婦さんや赤ちゃんにも使えるなんて』(五鬼上)

まずシンプルに副作用がないっていうところですね。副作用がないから、薬を使えない妊婦さんや赤ちゃんに使えるなんてすごい!それはどうして? と思ったのと、あとは1個のレメディーですべてが改善されるというところでしたね。ものすごくたくさん薬をのんでいる患者さんをいっぱい知っていたので、そのふたつはすごく衝撃的だったのを覚えています。

『数ある症状それぞれに対しての処方ではなく、全体に対する処方』(徳武)

五鬼上さんと重なりますが、薬学だと1つの症状に対して1つの薬剤、5個症状があったら5種類の薬剤を処方するのが普通という感覚になっちゃうんですけど、ホメオパシーでは患者さんの全体を見てレメディーを選んでいくと、結果的に1つですべての症状をカバーできるっていうのが衝撃的でした。(笑)

成松最初に「怪しい」とか思いませんでした?

徳武思いました。薄めるほど効果があるって何?分子が1つも残っていないほど薄めていってどういうお薬になるんだろう??よくわからないなあと。

成松それが怪しくなくなったのは?

『心のもやもやが晴れていく』(徳武)

何で?でしょうね。(笑)大学病院の同僚だった成松さんに誘われて、最初はホメオパシー入門講座に出ました。そこでレメディーはどんな物質から、どのように作られているかという理屈を一通り勉強したんですけれども、その時にさっぱりわからなくて。(笑)
2回目の機会がそれから1年ちょっと後だったと思いますが、永松先生のセミナーに行って、理屈的な話は一切なく確か…そもそも病気とは何なのか?人間は病とどう関わっているのか?というような大きなお話でした。
それを聞いた時にはなにか、さっきお話したモヤモヤが晴れていく気がして、私が知りたかったのは、そう!こういうことなの!もっと知りたい!って。その時の私にとっては、怪しいか?怪しくないか?は、たいして重要ではなかったのでしょうね。

成松五鬼上さんは「怪しい」って思いませんでした?

『30年以上患っていた症状が消えた時』(五鬼上)

最初は詳しいことを知らなかったので怪しいとか感じなかったんです。学校に入ってからの方が怪しさを感じながら、やっぱり信じがたい想いがどこかに残ったままで、モヤモヤ感を持ちながら勉強していた感じです。(笑)でも、そのうちに実際によくなった人に会うことが増えて、最終的にその怪しさがきれいに晴れたのは、実習でクライアントさんを診た時でした。30年以上患っていた症状で、どんな治療をしてもだめだった人が、すごく嬉しそうに症状が消えたことを報告してくれたんですね。その時「もう物質があるとかないとかは関係ない!!」って思いました。

成松じゃあ3年生で実習するまで怪しんでいた?(笑)

五鬼上どこかで疑いが晴れていなかったんですね。よくそれで続いたと思います。(笑)

『もしこれが本当だったらすごいことじゃないかと、自分で確かめてみたくなった』(成松)

私はカウンセリングの雑誌をとっていたとき、その中にホメオパシーの連載ページがあったんですけど、その時は「ハァ?」という感じで。(笑)心の問題が解けたら同時に体の問題もなくなっていくという、そういうことがあるという事例は知っていたので、ホメオパシーは2時間もかけて問診しているので、これはカウンセリングの効果とプラセボ効果でしょ?と思ったんです、当然。成分がないのに、それが効くなんて馬鹿げた話…みたいな感じだったんですけど。
そんな時、ある内科医の方とお話しする機会があって、彼はとても真面目で誠実な先生なんですけど、「僕はホメオパシーというのを勉強していて、不思議とこれが効くんですよね」と仰るので、「エー?効くんですか?」って。(笑)
その方からいただいたホメオパシーの本を読んだら、すごく真面目に調査して書かれていて、たくさん事例も載っていて、もしこれが本当だったら、成分がないということは体に全然負担がかからないので薬害もないし、これが本当に効くんだったら、すごいことじゃないかと思って、自分で確かめてみたくなったんです。

ハーネマンアカデミーが目指すのは
どの時代にも通用するプロフェッショナルな人材育成

『薬よりもいいものがここにはあるかもしれない』(五鬼上)

この学校に入る前、アロマセラピーなどの代替医療を教えているところでホメオパシーのセルフケアコースを受けていたんです。そこで色んな事例をお聞きして、あーすごいことが起こるんだなと思って。レメディーを買って飼っているネコにあげてみたり、本を見ながら色々試してみたりして。それで、効いたり効かなかったりで確証が得られないんだけど、でもヨーロッパでは200年も続いていて、代替医療の中でもホメオパシーが一番の雄というのを本で読んで、それなりに勉強をする価値があるんだろうと思って入りました。私の場合は薬剤師をやっていても疑問に思うことが多かったので、薬よりもいいものがここにはあるかもしれない、という期待もありました。

『くすりで人の役に立ちたい』(徳武)

さっきの続きになりますけど、永松先生のセミナーに出た後もっと知りたくなって、あまり深く考えずに入っちゃったっていう。(笑)そもそもなぜ薬剤師になったかと言えば、おじいちゃんの影響が大きいですね。田舎のおじいちゃんがお小遣い稼ぎに、ドクダミやゲンノショウコといった薬草を採って乾燥させ工場に卸していました。それを子供の頃から見ていて、「将来は、薬の勉強をして人の役に立ちたい」と思っていたんです。でも夢叶って薬剤師として働きだしてもなんだか釈然としなかった・・・。
大学病院で働きつつ、食養生の勉強に通ったり、カウンセリングや漢方のセミナーに出てみたりとか、いろいろ手をつけましたね。でもどれもウーンっていう感じで。(笑)どれも良いんだけど本格的にやりたい気持ちにはならなかったんですよ。ところが永松先生のホメオパシーには、直感的にこれ!という魅力がありました。

『レメディーって夢のような薬』(成松)

レメディーって夢のような薬じゃないですか。それまで扱っていた薬は必ず副作用があるし、腎臓や肝臓にも負担がかかる。でも他に方法がないから、何とか害があまり出ないように工夫するしかない世界にいたので、そういう危険な要素がまったくなくて、ちゃんと治るというのはすごいんじゃないかって。
心理療法で病気がかなり良くなったとか、そういう方もいらっしゃるんですけど、そこまでいくにはすごく大変なんですよね。時間もかかるし、カウンセラーも患者さんもとても大変なことがあるんですけど、小さな一粒を選んで「ハイ」とあげるだけで、それが一気にできてしまうなんて、そんなものが本当にあるんだったら、すごくいいんじゃないかという惹かれるものがあったんですね。
それで、はじめは自宅学習キットでちょっと勉強してみようかなと思って、事務局の方と話していたら、永松学長がそこにいらして、「成松さんはそれじゃなくて、入学されたらいいと思います。その方が向いていると思いますよ。」って。(一同爆笑)
その時は4年コースに入学するなんて、お金も結構かかるし全然考えていなかったので「えー?」と思ったんですけど、「ちょうど週末に授業だから」とか言われて(笑)。家に帰って一応3日ぐらい悩んで、主人に話したら「じゃあ行けば」と言ってくれたので決まりました。

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