学長ブログ

爆弾発言の前に

2024-09-06

今日からブログを再び始めようと思います。

 

ホメオパシーは医師ハーネマンによって「本来の医学・医療」として始められましたし、今でも、そしてこれからも「医学・医療」であり続けます。そういう意味では本来は「本来の医療を行える人」、「本来の医師」が行うものだと思います。

ここで大きな問題が生じてくるのですが、現在の医学教育で生み出される「医師免許を持った医師」は「人体の専門家」ではあっても必ずしも「本来の医師」ではない、もちろん「人間の専門家」ではない、というところに大きな問題があります。それは極めて根本的な大きな問題なのですが、問題が大き過ぎるので(笑)、別の機会に譲りましょう。

 

まずはホメオパシーとは何か? ということについて、ごく一般的なお話をしておきたいと思います。というのは、一般的な話の後に、「爆弾発言」をする予定なのですが、その前にまずは一般的な話をしておきたいのです。

つまり、今本当にお話ししたいことは、今からご紹介する一般的なホメオパシーのお話しではなく、その「爆弾発言」なのですが、そのお話しを本当にご理解頂くには「一般的な話」も必要なので、「爆弾発言」の前にその「前提知識」として知って頂きたい、ということです。 ややこしくて申し訳ありません。

ホメオパシー入門の講座は随分と行いましたが、24年前に行った初期の頃の講演の記録があり、基本的な骨子においては今もあまり変わらないので、敢えてその時の講演内容を掲載したいと思います。
以前はHPにそのまま載せていたのですが、何回かに分けて、再びご紹介します。

話し言葉をそのまま活かしているので、読みにくいところもあるとは思いますが、今と違ってホメオパシーは全く知られていない状況だったので、初めての方にもわかりやすいようにお話したものです。

 

2000年10月 ホメオパシー入門セミナー「ホメオパシーとは何か」より

 

ホメオパシーの語源

まずホメオパシーとは何なのかと言うことなんですけれども、ホメオという言葉は「似たもの」という意味なんですね。パシーとは「苦しい」とか「病気」という意味なんです。似たものが似たものを治す、そういう意味なんですね。まあ、これはもともとギリシャ語からとった造語といいますか、つくった言葉なんです。

 

日本でも

ホメオパシーの似たものが似たものを治すという原理そのものは自然の中にある原理ですから、たとえば日本でも部分的には使われているんですね。たとえば昔から日本では、のどがイガらっぽくてのどが何か変だという時には、生姜汁を飲むっていうことをおばあちゃんの知恵的な形でやっていたんですけども、生姜汁っていうのはなんでもないときに飲むと喉がヒリヒリしますね。それが、喉がヒリヒリしているときに飲むとすっと治る。とか、たとえば目がショボショボして、鼻がむずむずするっていう時には、ネギを巻くっていうことをやっていたわけですね。ネギっていうのはみなさん玉葱をお切りになれば分かるように、まさに目がショボショボして、鼻がムズムズするっていう症状を起こすものなんですね。ですから似たものが似たものを治すっていう風なことは、昔から部分的には行われていました。

 

似たものが似たものを治す

ホメオパシーの意味は似たものが似たものを治すっていうことなんですが、多少正確に言いますと、似た症状を起こせるものは似た症状を治すことができるっていうことです。もう少し詳しく言いますと、健康な人にあるものを投与して、そしてその症状を起こせるものは、その症状を治すことができるっていうことなんですけれども。まあ、だんだん訳がわかんなくなってくるので「似たものが似たものを治す」と、そういうふうに覚えていただければと思います。この時の似たものっていうのは、どういう意味かというと、似た症状を起こせるもの。単に「似たもの」っていうのと「治る」っていうのは普段なかなか結びつきにくいけども、ホメオパシーではあくまでも似た症状を起こせるものは似た症状を治すことができる、と言います。

 

ヒポクラテス

これは、起源はギリシャ時代のヒポクラテスまで遡るんですけども、医療には二つの方法がある。つまり、似たもので治すという方法と、それから反対のもので直すという方法の二つがある。そして、患者さんに対して、適した時に適したやり方でやるのがいい。これはどういうことかと言いますとヒポクラテスが言う反対のものっていうのは、例えば体が冷え切っている時には暖かいお湯に入る。こういう風なものを反対のものと呼んでいるわけです。これは便秘をしている時に下痢を起こさせるとかそういう激烈な方法を言っているわけではないんです。それから似たものが似たものを治す方法っていうのは、何かある症状があるときに、似たような症状を起こすものを与えると内部的な力を刺激されて、「あ、治さなければいけないんだ」「この問題を解決しなければいけないんだ」という風にその力が発動して、そして治って行くという形になります。これにつきましては、後で病気と症状とは何かについてお話しするときに詳しくお話したいと思います。

 

ホメオパシーの歴史と現在の世界的状況

起源

少し歴史的なことを申しますと、起源は確かにヒポクラテス、ほんとはもう少し前にも遡るんですけれども、まあ一応の起源はヒポクラテス。そして今の形にしたのはハーネマンという人なんですね。

 

 

Dr.ハーネマン

ハーネマンというのはドイツの医師で、二百年くらい前にこのホメオパシーを新しい医学として建設した人です。この方はどういうきっかけでホメオパシーというものを作ったかと申しますと、彼は非常に医学というものに理想を抱いていたわけですけれども、当時の医学というのは残念ながら彼が願っていたような医学ではなかったんです。

 

当時の医学

つまり当時の医学というのは、ほとんどが瀉血というやり方だったんですね。基本的に病気というのは悪い血によって起こると、だから悪い血を体から出せばその病気は治るというような治療法だったんです。全くでたらめなやり方ではないんですけれども、現在でも一部で瀉血というものはされておりますしね、これはとても効果的な場合もあるんですけれども、当時はそれしかなかったもんですから何でもかんでも血を流して治そうとしてたんですね。ですから残念ながら当時は、瀉血によって治った人よりも瀉血によって亡くなった人のほうが多かっただろうとも言われてるんです。これは非常に暴力的な、とても悲惨なやり方であるとハーネマンはとても失望しまして、しばらく医者を辞めていました。

 

キナの皮

彼は非常に語学の才能があったので、いろんな外国の本をドイツ語に翻訳して、人類のために貢献しようと思ったんです。で最初に翻訳した本が、当時非常に有名な医者だったカレンという人がいまして、スコットランドの人なんですけども、その人の「マテリア・メディカ」、まあ「薬学書」ですね、それを翻訳してたんです。その時に彼の目にとまったのがChina(キナ)っていう木の皮なんですけども、これが当時非常に流行してまして、というのが当時非常に恐れられていたマラリアという恐ろしい病気が、このキナという木の皮によって非常に良く治ったということがあったんです。なぜ恐ろしいマラリアという病気がキナの皮によって治るのかという説明があったんですけども、キナの皮は非常に苦い、だから胃の収斂剤として効くんだと、そういう記述があったんですけどね、彼はこれを見て絶対におかしいと思ったんです。なぜおかしいと思ったかというと、確かにキナの皮は非常に苦いんですけども、苦いものは他にもたくさんあるわけです。彼は非常に実践的な人なので、医者をやってた時にマラリアの患者さんにキナの皮よりももっと苦いものを投与しても全然良くならないっていうことを知ってたんです。だから確かにキナの皮は苦いけども、苦いから効くっていうのはおかしいと。

 

実証

それで彼はどうしたかっていうと、彼はキナの皮を、彼はマラリアではないんですけども健康な状態で煎じて飲んでみたんです。そして何が起こったかといいますと、すぐにものすごく発熱をしたんです。ものすごく汗をかきまして、悪寒がして、だんだん弱ってきたんです。で、しばらくするとまた元に戻ったんですね。もう一度飲んでみると、また熱が出て、汗が出て、悪寒がして衰弱するっていうことを繰り返したんです。この発熱と発汗、悪寒、衰弱っていうのは、キナの皮が治すというマラリアそっくりの症状だったわけなんですね。これは何かある、きっと偶然の一致ではないだろうと。彼は非常に病的なぐらい疑い深い人だったので、たまたまキナの皮がそうだったからといって、じゃあ似たものが似たものを治すって言う「おめでたい人」ではないんですね。だからいろんなものを試してみたんです。いろいろ試した結果、本当にそういうふうになってるっていうことを発見したわけなんです。そういう実証を10年くらいやった後で、新しい医学として、似たものが似たものを治すという原理に則った新しい医学を提唱したわけなんですね。それが現在のホメオパシーの基になったものなんです。ホメオパシーには幾つかの原理原則はありますが、何と言ってもホメオパシーは1にも実証、2にも実証、原理原則はむしろ後付けであって、ホメオパシーは実証と臨床による検証にのみ基づいた真の科学、真の医学なのです。

 

次回はそれ以降のホメオパシーの発展と衰退についても書きましょう。

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